道路標識における休日の解釈について
一部の道路標識に、以下のような表記がある。
土曜・日曜・休日を除く
日曜・休日を除く
ここで、土曜・日曜は見た通りカレンダー上の曜日であり、対象とする日付は明確である(曜日については疑問が生じる部分もあるが、これは別途考察する)。
しかし、休日について、日本国においては休日に関する法律や規定が複数あり、また、事業者等によっても休日が異なるため、明確に決定できない部分がある。休日はどこで定められているのかについて記載していく。
"休日"はどこで定義されているのか
休日は、法令上明確に定義されている箇所は以下の2つがある。
- 国民の祝日に関する法律(以下祝日法)第3条 - 一般的に言われる祝日や国民の休日・振替休日を定義している。
- 行政機関の休日に関する法律・国会に置かれる機関の休日に関する法律・裁判所の休日に関する法律(3法とも同一の休日となっているため、3つ併せて以下休日法とする)第1条 - 上記の祝日法の休日のほか、土曜日・日曜日および12月29日から1月3日までを休日と定義している
そのほか、法令中には"一般の休日"という表記もある。これについては、国税庁ホームページに掲載された記事に以下の記述がある。
この条第2項の「一般の休日」とは、日曜日、国民の祝日以外の全国的な休日をいうものとする。
なお、官庁における年末の休暇(明治6年太政官布告第2号「休暇日ノ件」に定める12月29日から同月31日までをいう。)は、この条の「一般の休日」には該当しないが、年始の休暇(同布告に定める1月2日および3日をいう。)は、この条の「一般の休日」に該当する(昭和43.1.30最高判、昭和33.6.2最高判)。
貼り付け元 <https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/tsutatsu/kihon/tsusoku/01/03/10.htm>
上記より、"一般の休日"は日曜・祝日以外の全国で一般的にある休日で、これには1/2,1/3が含まれ、12/29-12/31が含まれないことが分かる。
道路標識はどの"休日"を指すのか
では、道路標識の"休日"はどの"休日"を指すのか。
休日法の休日は、祝日法で定める休日や年末年始のほか、土曜日・日曜日も休日と定義されている。しかし、道路標識には多くの場合"休日"の表記のほかに"日曜"や"土曜"の表記も併記されている。もし、道路標識の"休日"の定義が休日法の休日であった場合、"休日"とだけ書けば土曜日・日曜日も対象となるため、わざわざ"日曜"や"土曜"と書く必要がない。よって、休日法の休日を指すとは考えずらい。
次に、祝日法の休日についてみてみる。祝日法の休日は、祝日法で定められた祝日および、当該日が日曜日の場合はその翌日、また祝日法で定められた祝日と祝日の間の日が休日と定義されている。この定義である場合は、"休日"のほかに"日曜"や"土曜"と併記される点も理解できる。祝日法の休日は土曜日や日曜日を休日と定義していないからである。
しかし、祝日法の休日と定義した場合、多くの企業や官公庁が休日である1月2日、1月3日は休日ではないとされる。しかし、1/2、1/3を休日ではないとした場合、多くの企業や官公庁が休日であるにもかかわらず、平日と同様の規制がされる。これは、本来の規制の趣旨にそぐわないと考えられる。
では、"休日"を"一般の休日"としてあてはめたらどうなるか、この場合、上記の定義に忠実に従った場合、祝日法で定義された祝日以外の休日を指す。これだと祝日が休日に当てはまらないため、結局のところ多くの企業や官公庁が休日であるにもかかわらず休日ではないとされてしまう。
そこで、"休日"は祝日法の休日+"一般の休日"と解釈した場合はどうなるか。この場合、"一般の休日"に多くの企業や官公庁が休日である1月2日、1月3日が含まれるため、規制の趣旨(多くの企業や官公庁が休日である日は規制除外とする)に合致させることができる。
したがって、道路標識の"休日"は祝日法の休日および"一般の休日"に該当する日と考えるのが妥当である。
みうら
休日とは別に1.2と1.3を明記している標識があるから休日には入らないと解釈するべきです。